韓国輸出 2021年12月の韓国の輸出額が1ヶ月ぶりに、再び過去最高額を更新した。産業通商資源部によると、先月の輸出額が前年比18.3%増加した607億4000万ドルを記録したと明らかにした。先月の604億ドルから過去最多の輸出額は凄い。ところがだ。 先月の輸入額は2020年12月と比較して37.4%増加した613億2000万ドルを記録した。つまり、差し引きは赤字なのだ。
ええ?607億ドル輸出額は過去最多。なのに、613億ドルの輸入額で赤字とか。韓国さん。儲かってないですよ。 因みにこの赤字は、2020年4月の9億5000万ドルの赤字から20カ月ぶりという。コロナ禍で輸出増で喜んでいたら赤字。輸出額が2018年を超えたとかホルホルするのはいいが、利益がでてない。赤字では何ら意味がない気がするぞ。
では、ここからは赤字の原因を見ていこう。まず、エネルギーを中心に原材料価格が大幅に上がった。 暖房需要増加で先月は、原油輸入額が前年より73.8%、石油製品が177.5%、ガスが97.1%増えた。確かに12月も寒かったからな。しかも、エネルギー価格は高騰している時期だ。
それと、 先月は中間財輸入が43.6%、資本財輸入が9.5%増えた。製造業が多い韓国は中間財と資本財輸入が多い。つまり、韓国は組み立て工場なので、半製品を輸入してきて、それを完成品に組み立てて出荷する。 とまあ、いつもならこの程度の解説なのだが、動画用にもう少し用語を解説しておこう。
資本財とは、原材料・仕掛品などの流動資本財と、機械・工場などの固定資本財にわけられる。中間財というのは、加工してある製品であるが、そこから原材料・燃料・動力などに使うもの。例をあげれば。車のタイヤやエンジンなど。
先ほど、韓国が組み立て工場と述べた通り、韓国企業が製品を作れば作るほど、 中間財輸入や、資本財輸入が増える。だから、利益はその辺りにどんどん吸われていく。つまり、これは輸入物価が上がれば上がるほど儲けが消えていく。
しかし、韓国政府はこうした貿易収支赤字は一時的現象だと説明している。産業通商資源部関係者は「冬季エネルギー需要が増えて輸入額が増えるのは仕方ない現象。日本など主要国は韓国より先に貿易収支赤字を出している」とした。エネルギー価格上昇で輸入額が増えたが、それだけ輸出増加傾向も強いため冬が過ぎれば再び黒字に転じるだろうと韓国政府はみている。
これは甘いと思われる。今、世界的にエネルギー価格が高騰している。理由は色々あるのだが、韓国の物価が上がってることは、以前に取り上げたとおりだ。さらに、記事では米国の物価上昇による金融緩和の終了で、 早ければ今年上半期から米国の金利引き上げが本格化すると、ウォン相場がいまよりさらに落ちかねないという。
これも、既に取り上げているが、米国の利上げが今年3回ほどあると予測されている。金利が上がれば、ウォンは売られるので「ウォン安」となる。すると先ほど述べた中間財や資本財の仕入れか価格が上昇するので、韓国企業にとっては厳しくなる。1200ウォン超えてくると、かなり危機的な状況だろう。今、1192ウォンだが、1200で為替介入を確実にしてくるので、後はどれだけドルが持つのか。
米韓通貨スワップ協定は延長されなかった。すぐに米国の利上げが始まるわけでないので、春までは余裕だと思うが、ヘッジファンドがいつ仕掛けてくるかなんて誰にも予想できない。輸出は好調のようだが、その分、輸入が増えて貿易赤字なら、ホルホルしている場合ではないぞ。
先月の輸出額が1カ月ぶりに再び過去最高額を更新した。だがエネルギーを中心に原材料価格が大幅に上がり貿易収支は赤字に転落した。
産業通商資源部は1日、先月の輸出額が前年比18.3%増加した607億4000万ドルを記録したと明らかにした。昨年11月に604億4000万ドルで初めて月間輸出額600億ドルを超えてからさらに過去最高輸出額を更新した。これに対し先月の輸入額は2020年12月と比較して37.4%増加した613億2000万ドルを記録した。輸入額が輸出額を上回り貿易収支は5億9000万ドルの赤字となった。
輸入額が輸出額を上回ったのは新型コロナウイルスの感染拡大が本格化し始めた2020年4月の9億5000万ドルの赤字から20カ月ぶりだ。2020年4月を除くと米国発の金融危機があった2008年に赤字を記録した。
先月まで含めた昨年の全輸出額は6445億4000万ドルで、貿易統計を集計し始めた1956年からの66年で最高額となった。これまでの最高輸出額は半導体のスーパーサイクル(長期好況)があった2018年の6049億ドルだった。当時と比較し昨年の輸出額は約396億ドル多い。これに先立ち産業通商資源部は昨年の累積輸出額が先月13日午前11時36分を基準としてすでに2018年の全輸出額を超えたと明らかにした。
◇エネルギー価上昇で赤字
輸出額が連日最高記録を塗り替えているが、貿易収支が赤字に転落したのはエネルギーを中心にした原材料価格がそれだけ大きく上がったためだ。最近の暖房需要増加で先月は原油輸入額が前年より73.8%、石油製品が177.5%、ガスが97.1%増えた。
世界経済が新型コロナウイルスによる景気低迷から抜け出し中間財や資本財の需要が大きく増えたのも貿易収支赤字に影響を及ぼした。実際に先月は中間財輸入が43.6%、資本財輸入が9.5%増えた。製造業が多い韓国は中間財と資本財輸入が多い。
韓国政府はこうした貿易収支赤字は一時的現象だと説明する。産業通商資源部関係者は「冬季エネルギー需要が増えて輸入額が増えるのは仕方ない現象。日本など主要国は韓国より先に貿易収支赤字を出している」とした。エネルギー価格上昇で輸入額が増えたが、それだけ輸出増加傾向も強いため冬が過ぎれば再び黒字に転じるだろうと韓国政府はみている。
韓国政府のこうした説明にもかかわらず、貿易収支に赤字に対する懸念は大きい。エネルギーを中心に始まった物価上昇が他の品目に広まれば、韓国企業の費用負担は大きくなり続けるほかはないからだ。実際に米連邦準備制度理事会(FRB)も最近の物価上昇率が「一時的でないかもしれない」とみて資産買い入れ縮小(テーパリング)の速度を高めると明らかにした。早ければ今年上半期から米国の金利引き上げが本格化すれば、ウォン相場がいまよりさらに落ちかねない点も負担だ。ウォンの価値が下落すればウォン換算した輸入額負担が大きくなる。
◇昨年の輸出3年ぶりに過去最高
一方、昨年の韓国の輸出額は3年ぶりに過去最高を更新し新たな歴史を書いた。昨年の年間輸入額も6150億5000万ドルで6000億ドルを超え、貿易額も過去最大規模の1兆2596ドルを記録した。このおかげで世界貿易順位も9年ぶりに8位に上昇した。2013年から2020年まで韓国の貿易順位は9位だった。
昨年の韓国の輸出が好調だった理由は韓国企業が新型コロナウイルス危機への対応が良かったためだ。韓国は新型コロナウイルスの流行が始まった2020年から他の国とは違い深刻な生産支障に陥らなかった。ここに新型コロナウイルスによる非対面経済拡散で半導体とIT品目の販売はむしろ増えた。
実際に昨年の半導体輸出は前年より29.0%増加し過去最高の1280億ドルを記録した。昨年中盤からは石油化学(54.8%)、鉄鋼(37.0%)、一般機械(10.8%)など伝統的な製造業の輸出額増加が目立った。新型コロナウイルス危機で減少した需要が回復した上に、原材料価格上昇で輸出単価が上がった影響だ。システム半導体(31.3%)、エコカー(51.7%)、有機EL(33.2%)、化粧品(21.5%)のような新成長品目の増加も大きかった。これら製品のいずれも昨年過去最高輸出実績を出した。
産業通商資源部は今年の輸出額目標を昨年の過去最高額を超えた7000億ドルとした。ただ先月の貿易収支赤字でもあらわれたように、エネルギー価格を中心に高くなった原材料価格と、継続する新型コロナウイルスによるサプライチェーン不安は依然として変数だ。最近出現したオミクロン株がサプライチェーンへの支障を引き起こす場合、輸出への負担もそれだけ大きくなることになる。
https://japanese.joins.com/JArticle/286224?sectcode=300&servcode=300
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いいんですよ。「過去最高額を更新」だけで国民はホルホルする。未来の不幸などケンチャナヨ。
まぁ、未来の不幸は実現するかどうか解らないじゃ無いか、と言われればそれまでだけど。