韓国景気 「景気回復の勢い弱まる」 供給網混乱・原材料価格の急騰でー外国人の株式投資が4カ月連続で純流出

韓国景気 管理人は2021年が韓国経済のピークであり、既に景気は景気後退局面に落ちていると何度も指摘しているが、韓国政府もシンクタンクもそれを頑なに認めない。しかし、管理人の予測通り、韓国の景気が悪くなる一方なのは言うまでもない。

すると、韓国政府もシンクタンクも段々と言葉が「弱気」になってくるという。今回の記事は韓国開発研究院(KDI)の現在と将来の景気動向である。それともう一つが、管理人が毎日チェックしている外国人の株式投資が4ヶ月連続で純流出したというもの。キャピタルフライトが進んでいると。

では、記事を整理していく。

■記事の要点

1.韓国経済について「世界的な供給網(サプライチェーン)の混乱と原材料価格の急騰により景気回復の勢いが弱まっている」

2.KDIの担当者は「先月は景気の下振れの可能性があるという点で『下振れリスク』という表現を使ったが、今月は輸出の増勢が鈍化し製造業の生産も萎縮するなど、景気回復の勢いの弱まりが実際の指標に現れた」と説明した。

3.1日平均の輸出額の増加率は3月の24.0%から縮小しており、5月は10.7%にとどまった。輸出量の増加率も下がっている。

4.4月の鉱工業生産指数は前月比3.3%低下した。半導体や自動車、一次金属、金属加工、食料品など主要業種が軒並みマイナスだった。生産能力指数も前月比0.4%低下し、2020年8月以来の低水準となった。

5. 4月の設備投資は機械類と輸送用機械を中心に減少した。世界的な供給網混乱が響き、自動車など耐久財の消費の落ち込み幅も拡大した。生産と設備、投資がそろって後退するのは20年2月以来、2年2カ月ぶり。

6.KDIは「原材料価格の急騰による物価高のために家計と企業の購買力が低下している」と懸念。国内と海外の利上げと併せ景気の下振れリスクの要因に挙げた。 

7.ただ、景気回復の勢いが弱まっているという判断は今月出たばかりだとして「(景気回復の)局面が変わったとまでは見ていない」と述べた。

以上の7つだ。順番に見ていこう。

まず、韓国経済は、世界的な供給網(サプライチェーン)の混乱と原材料価格の急騰により景気回復の勢いが弱まっていると。だから、弱まっているのではなく、景気後退局面だと何度言えばわかるのか。最も、認めたところで何も変わらないが。

次に2だが、今月は輸出の増勢が鈍化し製造業の生産も萎縮するなど、景気回復の勢いの弱まりが実際の指標に現れた」と。ついに指標から隠しきれなくなってきたと。

そして3では、1日平均の輸出額の増加率は3月の24.0%から縮小しており、5月は10.7%にとどまった。輸出量の増加率も下がっていると。これはかなり重要だ。

そもそも、韓国の貿易は半導体など中間財の輸出が中心で、原材料・エネルギー価格の高騰で、値段を製品に上乗せしたことで過去最高の貿易額、600億ドル台をなったに過ぎない。つまり、商品の値段があがったから額は増えたが、実際は輸出量はそこまで増えてない。

だから、この先、世界的なインフレとなればなるほど、韓国の貿易は低迷していく。しかも、2ヶ月連続の貿易赤字。2022年の5ヶ月で78億ドルの貿易赤字。過去最高の輸出なのに貿易赤字。

この矛盾を誰も答えないだけではなく、景気は緩やかに回復していると主張する韓国政府やシンクタンクの滑稽さ。しかし、指標というのは嘘を付かない。後はそれをどう分析するかである。だから、4も非常に重要だ。もう一度、読んでおこう。

4月の鉱工業生産指数は前月比3.3%低下した。半導体や自動車、一次金属、金属加工、食料品など主要業種が軒並みマイナスだった。生産能力指数も前月比0.4%低下し、2020年8月以来の低水準となった。

既に指数では韓国の成長見通しは鈍化してる兆候が出ている。4月の時点でだ。5月に回復しているてことはまずない。そもそも、5で設備投資が減少している時点でダメ。景気回復には設備投資をして、企業が新商品を生産して輸出を増やさないと行けない。つまり、景気の流れは「投資」が先で、その恩恵で経済成長という「実益」となるわけだ。投資が増えなくては景気回復はあり得ない。

次に6だが、これはその通りだとおもう、しかし、最後の7では、「(景気回復の)局面が変わったとまでは見ていない」そうだ。

韓国経済を視る上で3つの視点。「貿易」「投資」「雇用」のことだが、貿易も2ヶ月連続で貿易赤字。設備投資も減少。雇用は粉飾統計。これの何を見て緩やかに景気が回復していると述べているのか。

しかも、最近はここに「米利上げ」という4つめの視点も追加されている。また、重要イベントとして、今日、10日の21時半に5月の米消費者物価指数が発表だ。その後、16日にFOMCと続く。アメリカ次第では、韓国経済はさらなる苦境に立たされる。

後、視聴者さんが「貨物連帯スト」について突っ込んだコメントがあったが、これについて概要だけを触れておこう。

韓国の労働組合の全国組織・全国民主労働組合総連盟(民主労総)公共運輸労組の貨物連帯本部が、無期限のストライキに突入してから2日目の8日、トラック運転手らの組合員に自動車部品関連のトラックの運行を全面的に中止するよう指針を示したことが分かった。

今のところ、各完成車メーカーはストライキに備えて部品を備蓄しており、現時点では生産にほとんど影響はないらしい。ただ、トラック運転手が部品を届けないのが長期化すると韓国経済に悪影響は出てくる。自動車や部品メーカーも困惑しているが、韓国ではこのようなストライキは日常茶飯事である。だから、労働貴族とまで呼ばれているのだ。

管理人はこのようなストライキの動きも把握しているのだが、韓国経済に影響を与えるのは未来の話であって、現時点でその影響を分析しにくい理由で余り取り上げていない。いつ終わるかわからないものな。まあ、深刻化すればニュースとなるので、その時、取り上げておけばいいかと。

それで、次に移るが外国人の株式投資が4ヶ月連続で流出したという。まずは概要を見ておこうか。

韓国銀行(中央銀行)が9日公表した国際金融・為替市場動向によると、5月の韓国株式市場で海外投資家の資金は12億9000万ドル(約1730億円)の純流出となった。純流出は4カ月連続だが、規模は4月(42億6000万ドル)に比べ縮小した。

5月の海外投資が12億9000万ドルの純流出と。それが4ヶ月連続だが、規模は4月に比べて縮小した。既に外国人の持ち株比率は3割程度だろう。それで、管理人がいつもウォンニャス速報でも見ている外国人株式投資の5月をざっと振り返ると、4月と同じように売り日は目立つが、取引規模が減少している。

これを外資撤退が少しは収まったと見るか。それとも、5月が単なる様子見なのか。それはKOSPIが物語っている。5月は2500~2700を行ったり来たりしている。しかも、最近は2700に回復する度合いも低くなっている。個人投資家が頑張っているが、外国人が積極的に買っているようには見えない。ただ、債券市場では逆だ。

債券市場での海外投資家の資金は、公共資金を中心に20億6000万ドルの純流入となった。純流入は17カ月連続で、過去最長記録を更新した。株式投資資金の純流出の規模が縮小し、債券投資資金の純流入が拡大したことで、5月の証券市場での海外投資家の資金は3カ月ぶりに純流入(7億7000万ドル)に転じた。

公的資金が中心で20億ドル6000万ドルの純流入。公的資金というのは政府の財政資金のことだ。韓国政府の資金なら大丈夫だということで、外国人投資家が購入しているてことか。債券市場の動きについては韓国語のニュースに当たるが、あまり、全容が掴めない。おそらく利上げ前に韓国企業が資金調達を増やしてるのを外国人が買っているてことだとおもうが。株を売って、債券を買う動きが続いていると。

ただ、一般的に債券と株式の金利動向が大きく左右する。債券投資は景気が悪いときに増加する傾向で、景気が良いときは減少する。逆に株式は景気が悪いと減少して、良くなれば増加する。これは景気が良ければ金利を上げて、悪ければ下げるという一般論からである。

これを今の韓国経済に当てはめると、やはり、景気が悪いじゃないかと。債券投資は株式投資と比べてリターンは少ないが、元本は確実に戻ってくる。そういう意味で海外投資家が債券投資を増加させてるのは、韓国の景気動向は良くないと判断しているてことだ。ただ、今回の場合は米利上げで、韓国の金利も引きあげられるので異常事態となっている。

【世宗聯合ニュース】韓国政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は9日発表した「6月の経済動向」で、韓国経済について「世界的な供給網(サプライチェーン)の混乱と原材料価格の急騰により景気回復の勢いが弱まっている」との見方を示した。

 KDIは3月に原油価格の高騰など海外要因を挙げながら「景気の不確実性が大きく高まった」とし、4月と5月にはロシアのウクライナ侵攻と中国での新型コロナウイルス対策の都市封鎖により「景気の下振れリスクが一層拡大した」との認識を示した。それでも緩やかな景気回復は続いていると言及していた。

 KDIの担当者は「先月は景気の下振れの可能性があるという点で『下振れリスク』という表現を使ったが、今月は輸出の増勢が鈍化し製造業の生産も萎縮するなど、景気回復の勢いの弱まりが実際の指標に現れた」と説明した。

 1日平均の輸出額の増加率は3月の24.0%から縮小しており、5月は10.7%にとどまった。輸出量の増加率も下がっている。

 4月の鉱工業生産指数は前月比3.3%低下した。半導体や自動車、一次金属、金属加工、食料品など主要業種が軒並みマイナスだった。生産能力指数も前月比0.4%低下し、2020年8月以来の低水準となった。

 4月の設備投資は機械類と輸送用機械を中心に減少した。世界的な供給網混乱が響き、自動車など耐久財の消費の落ち込み幅も拡大した。生産と設備、投資がそろって後退するのは20年2月以来、2年2カ月ぶり。

 一方、物価高は加速している。5月の消費者物価指数の上昇率は前年同月比5.4%と、13年9カ月ぶりの高水準だった。KDIは「原材料価格の急騰による物価高のために家計と企業の購買力が低下している」と懸念。国内と海外の利上げと併せ景気の下振れリスクの要因に挙げた。 

 ただ、景気回復の勢いが弱まっているという判断は今月出たばかりだとして「(景気回復の)局面が変わったとまでは見ていない」と述べた。 

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220609002800882?section=economy/index

【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が9日公表した国際金融・為替市場動向によると、5月の韓国株式市場で海外投資家の資金は12億9000万ドル(約1730億円)の純流出となった。純流出は4カ月連続だが、規模は4月(42億6000万ドル)に比べ縮小した。

 韓国銀行は、中国の景気減速への懸念とウクライナ問題の長期化により投資資金の純流出が続いているが、このような要因の影響が一部解消したことで純流出の幅は縮小したと説明した。

 債券市場での海外投資家の資金は、公共資金を中心に20億6000万ドルの純流入となった。純流入は17カ月連続で、過去最長記録を更新した。株式投資資金の純流出の規模が縮小し、債券投資資金の純流入が拡大したことで、5月の証券市場での海外投資家の資金は3カ月ぶりに純流入(7億7000万ドル)に転じた。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20220609002000882?section=economy/index
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