韓国輸出 今月1~20日の輸出も3.4%減少-3ヶ月連続貿易赤字で累計は154億6900万ドルー物価上昇率4.7%上方修正

韓国輸出 昨日、時間外でウォンが1300に到達して、コスピも2350以下となったわけだが、株式ニュースについて連日、下がっているのでどこを紹介すれば良いか迷うところだ。それよりも、韓国貿易と物価上昇についての最新情報を追っていこう。まずは6月1日から20日の貿易状況について。

何度も述べるが韓国経済を俯瞰する上で大事な情報は4つ。「貿易」「投資」「雇用」「米利上げ」である。管理人が紹介する記事のほとんどはこの4つのどれかが関係してくるものだ。

韓国の6月1日~20日の輸出額は312億8300万ドル、輸入額は389億2500万ドルと暫定集計(通関基準)された。輸出は前年同期比3.4%減少した。しかも、20日の貿易収支は76億ドルの赤字である。

さて、この数値で驚くべきことはなにかわかるだろうか。輸出が前年同期比に比べて3.4%減っているのだ。これは非情におかしな事態だ。なぜなら、韓国製品はエネルギー・原材料価格の高騰で価格が製品に上乗せされたことで輸出額は過去最高の600億ドルを超えていた。つまり、輸出量が現状維持なら、輸出がマイナスになるなんてあり得ない。それなのにマイナスになったということはそろそろ輸出額の「数値」で輸出低迷が見えてきたてことだ。

もちろん、輸入額はエネルギー・資源価格の高騰で高い水準を維持である。だから、貿易赤字が76億ドルとなっていると。では、具体的にどうなのか。

半導体(1.9%)、石油製品(88.3%)、家電製品(2.0%)などの輸出額が1年前より増えた。乗用車(-23.5%)、自動車部品(-14.7%)、無線通信機器(-23.5%)などは減少した。

もう、半導体が1.9%の輸出額というのが韓国経済の低迷を象徴している。韓国は半導体で大きな利益を上げている国だ。世界的な半導体の需要増もあり、付加価値が高い製品だった。石油製品が88.3%というが、これは付加価値が低い製品だ。いくら石油製品の輸出をしてもそこまで大きく貢献しない。

しかも、韓国の得意産業である自動車がダメ。そういえば、日本に12年ぶりに再度進出した現代自動車だが、現状で何台売れたかご存じだろうか。管理人はびっくりした。まさか、こんなにも売れ行きが凄いなんて。もう、希少価値が高すぎて驚きだ。

むしろ、乗っている人を見かけたら宝くじを買った方が良いレベルだ。4月はなんと「4台」も売れたのだ。因みにメルセデスベンツが4月に3441台売ったそうなので、希少価値は800倍である。それで、5月はソースを確認できないが、7台も売れたとか。

しかも、韓国メディアは日本は「輸入車の墓場」とか言いだす。確かに日本国内では世界的な自動車メーカーが競合するので海外勢が苦戦する市場であるが、それでも2ヶ月でおよそ10台販売という実績なら現代自動車が売れてないだけである。では、輸入を見ていこうか。

輸入額は、前年同期比21.1%増加した。 国際原油価格などエネルギー価格上昇の影響で原油輸入が63.8%増えた。石炭(155.4%)とガス(30.2%)なども輸入額が増加した。半導体製造装備(-6.5%)、乗用車(-34.8%)などの輸入額は減少した。

既に韓国では1200ウォンのウォン安が連続で50日以上続いている。これはウォンニャス速報がずっと続いてることでも確認できるだろう。なら、輸入品は為替レートの関係上、高くなるわけだ。そうすると自動車輸入も減ると。原油・石炭・ガスの輸入額が高止まりしている。そして、次は貿易収支が3ヶ月連続で赤字と。そろそろ格付け機関が見通しを修正する頃か。

貿易収支は、今月まで3か月連続赤字が予想される。今年1月に47億4200万ドルの赤字を記録した後、2月と3月には小幅な黒字を出したが、4月(-25億800万ドル)と5月(-17億1000万ドル)に再び大幅な赤字を記録した。今年1月1日から6月20日までの累積貿易赤字は154億6900万ドルに達する。残りの10日間、この傾向が続けば、今年上半期の貿易赤字は、1996年下半期125億5000万ドルを超え、半期基準で歴代最大規模を記録することになる。

この時点で、貿易赤字累計が154億6900万ドルである。残り、半年の予測だと147億ドルの赤字らしい。つまり、韓国輸出は7月以降は「貿易黒字」を僅かながらでも出せると思っているのか。それは甘い考えではないのか。管理人は2022年、200億ドル程度の貿易赤字を予想しておこうか。

アメリカ、ウクライナ戦争を見ている限りでは、残り半年で状況が好転するとは到底思えないんだよな。ただ、200億ドル予測は最悪が重なった結果ではあるので、分析するには不特定要因が多すぎる。

韓国貿易協会·国際貿易通商研究院は同日の報告書で、今年の貿易収支赤字を147億ドルと見込んだ。上半期の赤字幅に比べて減少するものだが、これはグローバル金融危機だった08年の貿易赤字(132億6741万ドル)よりも大きい規模であり、1996年(206億ドル)以来の最大値だ。

それで、赤字予測は147億ドルは、2008年のリーマンショックよりも大きい規模だと。でも、1996年のアジア通貨危機前よりはましだと。管理人の赤字200億ドル予測はアジア通貨危機に近いんですが。どうなるかは半年後に答え合わせしてほしい。

さて、ここまでが輸出の最新情報だ。次は物価上昇についてだ。まずは概要をどうぞ。

韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が「今後、国内消費者物価の上昇傾向は、5月の展望経路を上回る可能性が高いと判断される」と明らかにした。今年の物価上昇率が、韓銀の展望値(4.5%)を超え、2008年の世界金融危機の4.7%を上回る可能性があるという診断だ。これを受け、韓銀が来月、ビックステップ(基準金利を一度に0.5%引き上げ)に踏み切るとの見方が強まっている。

管理人は韓国の今年物価上昇率予測は4.5%は甘い。5%ぐらいだと述べていたが、どうやら4.7%まで上がりました。それで、一度もやったことがない0.5%の利上げに踏み切るかもしれないと。でも、アメリカの0.75%の利上げで、ウォンは1300.コスピは2350以下となり、外資撤退が爆速化。

それなのに0.5%程度の利上げで防げるんですかね。既に米韓金利差はない。7月にアメリカが0.75%利上げしたら、0.75%も逆転されるぞ。仮に0.5%ほど韓銀が対抗して引きあげても、0.25%の逆転だ。ウォンは1300どころか、1350まで行くぞ。だいたい、いつまで基準金利の利上げを「物価高」が原因としているのだ。いい加減、認めろよ。キャピタルフライトを止めるためだと。

韓銀は、この日発表した物価安定目標運営状況点検報告書で「今年の年間消費者物価上昇率が2008年水準(4.7%)を越える可能性も排除できない状況」と明示した。先月、今年の物価上昇率の展望値を3.1%から4.5%に上方修正してからたった1か月で再び引き上げた。

1ヶ月で0.2%も引きあげる。見通しが甘いてことだ。本当、1ヶ月先も予測できないのに、半年や一年後がどうとか言いだす。もちろん、どちらも当たらない。視聴者さんが韓国の経済予測は「願望」だとツッコミを入れていたが、経済分析や見通しを「願望」で発表するなら、最初から「ダイス」で決めておけよ。

李総裁は「金通委以後、米国のインフレ(物価上昇)頂点の期待が当初の予想より遅れ、中国の状況もさらに悪化した」とし「欧州連合(EU)のロシア産石油輸入制限などにより、国際原油価格が前回の金通委直前の1バレル=109ドル水準から今月1バレル=平均120ドル前後に大きく上昇した」と話した。

これはどうなんだろうな。現在の原油価格は108ドル台。平均110ドルぐらいで推移すると見込まれている。バイデン氏が連邦ガソリン税の停止を要請したニュースもある。

あと、韓銀総裁も触れているが、中国の状況がかなりヤバい。ロイターが興味深い記事を書いている。中国で過去最大の失業危機という。16歳から24歳の年齢層の失業率は20%近くと過去最高を更新したらしい。

つまり、中国経済の「失速」である。管理人は不動産バブルがついに弾けたのか。そう見ているのだが、実態はもっと酷いと思われる。そして、ひたすら日本の「円安」を悪く言う声が日本のメディアで高まる。中韓にとって日本の円安は脅威だと解説した。中国経済の失速は中国依存している韓国に取っては致命的な打撃となる。

しかし、中国経済動向まで分析している時間がない。韓国経済だけでも超忙しい。でも、いずれは特集したい。

李総裁は「6·7月の物価上昇率が6%を越えるかについては確信しにくい」としながらも「先月の金融通貨委員会の予想より原油価格上昇速度と国内伝播速度が速いため、先月予想した物価上昇率より高い可能性を排除できない」と話した。李総裁は「物価上昇率が6%を越えればビッグステップをするのか」という質問に「ビッグステップは、物価一つだけを見て決めることはない」として「物価が上がった時、景気に及ぼす影響と家計負債負担などを総合的に考慮し金融通貨委員らと相談して決める」と答えた。

韓銀総裁もこの先、物価の見通しもわからない。0.5%利上げもするかもわからない。後は総合的に決めると。全然、役に立たないな。本当、この総裁は優秀なのか?前の総裁の方がまだ優秀だったんじゃないか。ちょっと新総裁の力量について、ダメっぽい気がするな。確かに見通すのは難しいとおもうが、それでは何の意味もない。予測して先手を打たないと状況は悪くなる一方だろうに。

李総裁は、スタグフレーション(景気低迷の中で物価上昇)憂慮に対しては「まだ潜在成長率である2%以上成長する可能性が高いと判断する」と話した。李総裁はしかし「ウクライナ事態長期化、中国の成長鈍化、主要国の金利引き上げ加速などで年末にますますグローバル景気の下方圧力が大きくなりかねない」として「今後の国内景気の不確実性が高まり物価と成長間の相反する関係がより一層大きくなりうる」と見通した。

それで、未だに潜在成長率である2%以上成長すると考えてると。あのな。貿易赤字が147億ドル予想だろう?どうやって2%も成長するんだ?ああ、借金が増えても、数値上は成長するのか。でも、大分楽観論も消えてきて、保険をかけるような言動が目立つと。

韓国の今月に入って20日まで貿易収支が、76億ドルの赤字を記録した。

韓国関税庁が21日発表した「6月1~20日輸出入現況」によると、同期間の輸出額は312億8300万ドル、輸入額は389億2500万ドルと暫定集計(通関基準)された。輸出は前年同期比3.4%減少した。

半導体(1.9%)、石油製品(88.3%)、家電製品(2.0%)などの輸出額が1年前より増えた。乗用車(-23.5%)、自動車部品(-14.7%)、無線通信機器(-23.5%)などは減少した。

輸入額は、前年同期比21.1%増加した。 国際原油価格などエネルギー価格上昇の影響で原油輸入が63.8%増えた。石炭(155.4%)とガス(30.2%)なども輸入額が増加した。半導体製造装備(-6.5%)、乗用車(-34.8%)などの輸入額は減少した。

貿易収支は、今月まで3か月連続赤字が予想される。今年1月に47億4200万ドルの赤字を記録した後、2月と3月には小幅な黒字を出したが、4月(-25億800万ドル)と5月(-17億1000万ドル)に再び大幅な赤字を記録した。今年1月1日から6月20日までの累積貿易赤字は154億6900万ドルに達する。残りの10日間、この傾向が続けば、今年上半期の貿易赤字は、1996年下半期125億5000万ドルを超え、半期基準で歴代最大規模を記録することになる。

韓国貿易協会·国際貿易通商研究院は同日の報告書で、今年の貿易収支赤字を147億ドルと見込んだ。上半期の赤字幅に比べて減少するものだが、これはグローバル金融危機だった08年の貿易赤字(132億6741万ドル)よりも大きい規模であり、1996年(206億ドル)以来の最大値だ。

https://www.kedglobal.com/jp/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E8%B2%BF%E6%98%93%E5%8F%8E%E6%94%AF-6%E6%9C%881~20%E6%97%A5%E8%BC%B8%E5%87%BA%E5%85%A5%E7%8F%BE%E6%B3%81/newsView/ked202206220003

韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁が「今後、国内消費者物価の上昇傾向は、5月の展望経路を上回る可能性が高いと判断される」と明らかにした。今年の物価上昇率が、韓銀の展望値(4.5%)を超え、2008年の世界金融危機の4.7%を上回る可能性があるという診断だ。これを受け、韓銀が来月、ビックステップ(基準金利を一度に0.5%引き上げ)に踏み切るとの見方が強まっている。

李総裁は21日、ソウルの韓銀本館で開かれた物価安定目標運営状況点検記者懇談会で「急激な物価上昇傾向が変わるまで物価中心に通貨政策を運用することが望ましい」としてこのように話した。

韓銀は、この日発表した物価安定目標運営状況点検報告書で「今年の年間消費者物価上昇率が2008年水準(4.7%)を越える可能性も排除できない状況」と明示した。先月、今年の物価上昇率の展望値を3.1%から4.5%に上方修正してからたった1か月で再び引き上げた。

李総裁は先月26日、基準金利を年1.75%に0.25%引き上げた金融通貨委員会当時の展望より対外的条件が悪化したと説明した。李総裁は「金通委以後、米国のインフレ(物価上昇)頂点の期待が当初の予想より遅れ、中国の状況もさらに悪化した」とし「欧州連合(EU)のロシア産石油輸入制限などにより、国際原油価格が前回の金通委直前の1バレル=109ドル水準から今月1バレル=平均120ドル前後に大きく上昇した」と話した。

6月と7月の消費者物価上昇率は、先月より高いというのが李総裁の展望だ。先月の消費者物価上昇率は5.4%で、14年ぶりの最高値を記録した。李総裁は「6·7月の物価上昇率が6%を越えるかについては確信しにくい」としながらも「先月の金融通貨委員会の予想より原油価格上昇速度と国内伝播速度が速いため、先月予想した物価上昇率より高い可能性を排除できない」と話した。李総裁は「物価上昇率が6%を越えればビッグステップをするのか」という質問に「ビッグステップは、物価一つだけを見て決めることはない」として「物価が上がった時、景気に及ぼす影響と家計負債負担などを総合的に考慮し金融通貨委員らと相談して決める」と答えた。

李総裁は「すでに短期期待インフレが物価目標である2%を越え3%を上回っている中で、長期期待インフレは2%水準まで上昇した」として「インフレ期待心理を適切に制御しない場合、高物価状況が固着化する恐れがある」と指摘した。市場では、韓銀が期待インフレ上昇に対応するため、来月13日に予定された金融通貨委員会で史上初めてビッグステップに乗り出すだろうという観測が提起されている。

李総裁は、スタグフレーション(景気低迷の中で物価上昇)憂慮に対しては「まだ潜在成長率である2%以上成長する可能性が高いと判断する」と話した。李総裁はしかし「ウクライナ事態長期化、中国の成長鈍化、主要国の金利引き上げ加速などで年末にますますグローバル景気の下方圧力が大きくなりかねない」として「今後の国内景気の不確実性が高まり物価と成長間の相反する関係がより一層大きくなりうる」と見通した。

https://www.kedglobal.com/jp/%E9%9F%93%E5%9B%BD%E9%8A%80%E8%A1%8C-%E6%9D%8E%E6%98%8C%E9%8F%9E%EF%BC%88%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%A8%E3%83%B3%EF%BC%89%E7%B7%8F%E8%A3%81-%E6%B6%88%E8%B2%BB%E8%80%85%E7%89%A9%E4%BE%A1/newsView/ked202206210018
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ももちゃん
2022年6月23日 15:54

現代自動車。売れた10台は、ほぼ在日でしょうかね?

そういえば、数年前に、たまたま目の前を走っていた車が現代だった事がありますよ。
しかも、今までさんざん運転してきて、たったの一度だけ。
まさに宝くじに当たるレベルですね。

ライダイハン
2022年6月23日 17:00

米国金利モニターツールをみても、95.7%の確率で2.25-2.5%(先週は79%)になっているので、7月も0.75%の利上げが確定的だとマークは見ている。KOSPI=サムスンの値下げが止まらないが、これには外資だけではなく、韓国人も貢献している可能性がある。借金して信用取引で、安全資産と信じていたサムスン株を購入したが、追証金が支払えず、強制売却され、株価が下落する負のスパイラルが起きている。格付け会社が、いつ動き出すか?

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