韓国貿易 韓国経済において4月に取り上げたい話題といえば、当然、韓国の3月における貿易の状況だろう。3月20日までの貿易統計だと貿易赤字だったのだが、それが解消されたかどうかだ。最初に結論を述べておくと3月は貿易収支赤字が確定した。
エネルギー価格の高騰で貿易収支が再び赤字になったというが、なら、なんで2月は貿易収支赤字ではなかったのか。簡単なことだ。輸入を減らして2月は無理矢理、黒字達成。これで3ヶ月連続とかそういう不安材料をかき消したわけだ。だから、3月はその分、輸入が増えるので貿易赤字になったと。こういうからくりとなっているわけだ。
では、記事を整理していこうか。
1.韓国産業通商資源部は先月の輸出額が634億8000万ドル(約7兆7763億円)で昨年3月と比べて18.2%増えたと明らかにした。これは1カ月を基準とし、1956年に貿易統計を集計し始めて以来66年間で最も高い。
2.輸入額も過去最高記録を更新した。先月輸入額は636億2000万ドルで前年比27.9%増となった。冬季エネルギー需要の急増により歴代最高を記録していた12月の輸入額(611億6000万ドル)を上回る数値だ。この影響で先月の貿易収支も1億4000万ドルの小幅赤字を出した。
3.規模は大きくないものの、先月貿易収支が1カ月ぶりに再び赤字に転じたことは通常ではないとの分析が多い。韓国は輸入した原材料を加工して商品にした後、料金を追加して再び売る中間材産業が大部分だ。このような産業構造のため、外部経済の衝撃がない限り、貿易赤字は出にくい。
4.韓国政府は最近の貿易赤字が冬季エネルギー需要の増加に伴う「一時的現象」と説明していたが、ロシアのウクライナ侵攻が長期化しながらこの予測に支障が生じている。実際、寒さが緩んだ先月には原油・ガス・石炭の3大エネルギー輸入額(161億9000万ドル)は2月(124億8000万ドル)に比べてむしろ29.7%(37億1000万ドル)急増し、歴代1位を記録した。
5.3月の原油(72%)・LNG(200%)・石炭(441%)の価格はロシアのウクライナ戦争の影響で1年前に比べてどれも暴騰している。
6.貿易を支えている輸出好況が今後も続くかどうかは未知数だ。先月の韓国輸出は主力15品目のうち、部品難に直面している自動車(-9.7%)と2年前の受注実績が輸出に反映されている船舶(-35.9%)を除き、13品目すべて前年同期に比べて増加した。
以上の6つだ。順番に見ていこう。
まず、1と2は韓国の輸出額が過去最高の634億8000万ドルだった。輸入は636億2000万となり、差し引いて1億4000万ドルの貿易赤字となった。つまり、これでわかることは韓国はエネルギーや資源価格が高騰していると、貿易でほとんど稼げないてことだ。しかも、ウクライナ戦争は長期化しているので、4月に季節性で多少、エネルギー需要は減るにせよ大幅な下落はないと。
次に3だが、これは韓国の輸出が組み立て工場ですという説明。そのため、韓国の輸出が増えるてことは、製品を作るためには日本や米国などから機械や素材など資本財や中間財を輸入が増加する。最近は半導体=中間財ってことになってるんだろうか。
後、在庫について言及がない。そのように理想的に売れるなら貿易赤字にはならないけど、在庫がたまれば中間財が売れてないので、輸出額は減るはず。ぶっちゃけると人件費とか、そういうのはかなり無視されている。よくわからない分析だ。
次に4だが、管理人は、以前に韓国政府の楽観論は甘いと指摘したが、その通り、甘かったと。原油・ガス・石炭の輸入額が一気に増えたと。確かに3月は寒かったものな。
5については既に過去記事で取り上げていることだ。石炭価格の高騰はウクライナ戦争によるものが大きい。韓国はロシアから石炭を16%輸入していた。それがオーストラリア産の石炭に変えたら、既に500%近く高騰していたと。
そして、最後の6は今後、韓国の輸出が好調かは未知数だと。ウクライナ戦争が読めない以上はどうしようもない。ただ、半導体輸出額(131億2000万ドル)は初めて130億ドルを超えて歴代最高を記録したと。半導体油種値は絶好調だな。これだけで韓国の貿易2割も稼いでる。今年のサムスン電子やSKハイニックスの業績もかなり良いと予想されている。
無線通信(44.5%)・ディスプレイ(48.4%)など他のIT(情報通信)主力品目も前年に比べて輸出が急激に伸びた。
他にも、無線通信やディスプレイなどのが急激に伸びた。これが気になるんだよな。何で、伸びているのか。中央日報の記事には国別が書いてない。ナノで、韓国語の記事を探してみた。
地域別に見ると、中国(16.6%)、米国(19.9%)、ASEAN(44.4%)など3大市場への輸出がすべて月間基準で最高の実績を更新した。中東(17.4%)、中南米(25.6%)など新市場輸出も2桁増加した。
中国、米国はわかるが、なんでASEANなんだ?どうせベトナムが圧倒的なんだろう。ベトナムと書いておけと。後、EUはどこいった。中東、中南米の輸出も二桁増。これは金額が少なければそれぐらいすぐいくからな。では、今後の展望について。
だが、このような輸出実績を支えているグローバル需要は下半期に入るほど鈍化するだろうという見通しが優勢だ。最近の物価上昇が購買力を低下させて景気低迷を誘発する可能性があるとの分析まである。特に最近の高い輸出実績にはエネルギーを中心にした最近の原材料価格上昇による「錯視」も一部反映されている。
ああ、なるほど。これはわりと興味深いな。つまり、貿易額が過去最高なのも、原材料価格が上がっているからと。
先月の輸出額は前年に比べて18.2%伸びたが、同期間の輸出物量は0.4%増にとどまった。原材料価格の上昇で輸出単価自体が上昇し、輸出額も増加したように見えるが、販売量自体は増えていないという意味だ。
やはり、そういうことか。結局、輸出額が増えても、輸出物量はそこまで増えてないと。つまり、韓国の輸出はピークを迎えつつある。この先、輸出額が増えたから安心というわけにはいかない。
延世(ヨンセ)大学経済学科のソン・テユン教授は「地政学的リスクに各国の環境政策なども重なり、エネルギー価格の上昇が一時的ではなく構造的なものになっている」としながら「エネルギーを中心にした物価上昇圧力が続けばグローバル需要も減少するほかないので、長期的に全体貿易収支と経常収支の流れが悪くなる可能性がある」と指摘した。
世界的な物価上昇は韓国貿易収支と経常収支を悪化させる可能性。そりゃそうだよな。物が高くなれば消費者は財布の紐を固くするからな。
先月は韓国の輸出額が歴史上最高値を更新したが、貿易収支は1カ月ぶりに再び赤字となった。国際エネルギー価格の上昇が3月になっても減速しないのに輸入額が急増しているからだ。
◆輸出も輸入も歴代最高
1日、韓国産業通商資源部は先月の輸出額が634億8000万ドル(約7兆7763億円)で昨年3月と比べて18.2%増えたと明らかにした。これは1カ月を基準とし、1956年に貿易統計を集計し始めて以来66年間で最も高い。輸出額は昨年11月(603億ドル)に月間基準で初めて600億ドルを超えたが、その1カ月後の昨年12月にも607億ドルで過去最高記録を再び更新した。操業日数が少ない1・2月には全体輸出額がやや減少したものの、先月再び歴代記録を更新した。先月、操業日数の影響を調整した一日平均輸出額(27億6000万ドル)も歴代1位を記録した。
輸入額も過去最高記録を更新した。先月輸入額は636億2000万ドルで前年比27.9%増となった。冬季エネルギー需要の急増により歴代最高を記録していた12月の輸入額(611億6000万ドル)を上回る数値だ。この影響で先月の貿易収支も1億4000万ドルの小幅赤字を出した。昨年12月から1月まで2カ月連続赤字を記録した貿易収支は2月に黒字を回復したが、1カ月ぶりに再び赤字に転じた。
◆冬は過ぎたがエネルギー輸入増加
規模は大きくないものの、先月貿易収支が1カ月ぶりに再び赤字に転じたことは通常ではないとの分析が多い。韓国は輸入した原材料を加工して商品にした後、料金を追加して再び売る中間材産業が大部分だ。このような産業構造のため、外部経済の衝撃がない限り、貿易赤字は出にくい。最近を除くと、貿易赤字を出した時期は新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)が拡大した2020年4月と米国発金融危機が起きた2008年、IMF(国際通貨基金)通貨危機時期などが唯一だ。
特にエネルギー価格の上昇が短期間に落ち着く可能性が低い点も懸念される。韓国政府は最近の貿易赤字が冬季エネルギー需要の増加に伴う「一時的現象」と説明していたが、ロシアのウクライナ侵攻が長期化しながらこの予測に支障が生じている。実際、寒さが緩んだ先月には原油・ガス・石炭の3大エネルギー輸入額(161億9000万ドル)は2月(124億8000万ドル)に比べてむしろ29.7%(37億1000万ドル)急増し、歴代1位を記録した。3月の原油(72%)・LNG(200%)・石炭(441%)の価格はロシアのウクライナ戦争の影響で1年前に比べてどれも暴騰している。ただし、産業部のムン・ドンミン貿易投資室長は「エネルギー価格の動向に関して簡単には予断できないが、4月からは季節的な要因で需要がやや減るのではないかと期待している」とした。
◆物価負担で輸出見通しも未知数
貿易を支えている輸出好況が今後も続くかどうかは未知数だ。先月の韓国輸出は主力15品目のうち、部品難に直面している自動車(-9.7%)と2年前の受注実績が輸出に反映されている船舶(-35.9%)を除き、13品目すべて前年同期に比べて増加した。
特に先月の半導体輸出額(131億2000万ドル)は初めて130億ドルを超えて歴代最高を記録し、無線通信(44.5%)・ディスプレイ(48.4%)など他のIT(情報通信)主力品目も前年に比べて輸出が急激に伸びた。
だが、このような輸出実績を支えているグローバル需要は下半期に入るほど鈍化するだろうという見通しが優勢だ。最近の物価上昇が購買力を低下させて景気低迷を誘発する可能性があるとの分析まである。特に最近の高い輸出実績にはエネルギーを中心にした最近の原材料価格上昇による「錯視」も一部反映されている。先月の輸出額は前年に比べて18.2%伸びたが、同期間の輸出物量は0.4%増にとどまった。原材料価格の上昇で輸出単価自体が上昇し、輸出額も増加したように見えるが、販売量自体は増えていないという意味だ。実際、先月のエネルギー価格の上昇によって輸出額が増えた石油化学(54億21000万ドル)は昨年3月と比較して14.8%増加して歴代最高の輸出額を記録した。
同じ期間、石油製品輸出額(52億1000万ドル)も前年比90.1%増えた。延世(ヨンセ)大学経済学科のソン・テユン教授は「地政学的リスクに各国の環境政策なども重なり、エネルギー価格の上昇が一時的ではなく構造的なものになっている」としながら「エネルギーを中心にした物価上昇圧力が続けばグローバル需要も減少するほかないので、長期的に全体貿易収支と経常収支の流れが悪くなる可能性がある」と指摘した。
https://japanese.joins.com/JArticle/289483?servcode=300§code=300
■ネットの反応
輸出が歴代最高になるのはウォン安のおかげであり、経済が上向きになったり、ましてや韓国経済が活発になったわけではない。
そしてエネルギーの暴騰により収支が赤字になるのは、価格高騰のうえウォン安、ダブルパンチは日本も同じで、各企業は頭を悩ませていることでしょう。
結論的には国や中央銀行の方針と、企業の体力やBCPがしっかり策定されているかが問われることになるのでしょう。少なくとも日本企業は有事の対応はできると信じています。
それにしても、まず「歴代最高輸出」が見出しに来るところが、見栄っ張りの国民性がでていますね。
→歴代最高輸出ではなく、歴代最高の貿易額というオチですが。
>韓国は輸入した原材料を加工して商品にした後、料金を追加して再び売る中間材産業が大部分だ。このような産業構造のため、外部経済の衝撃がない限り、貿易赤字は出にくい。
この理屈だと、仕入れたものに価値を付加し利益を載せて販売する、
つまり、ほぼすべての産業は貿易赤字は出にくいことになる。
利益を<売価-原価>だけに見ている限り主体的な改善はありえない。
まさか、リスクゼロの状態を「ふつう」と言ってるんじゃないだろうな
→これって何がおかしいのか。在庫について言及がないんですよ。そのように理想的に売れるなら貿易赤字にはならないけど、在庫がたまれば中間財が売れてないので、輸出額は減るはず。ぶっちゃけると人件費とか、そういうのはかなり無視されている。
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2021年10月15日に「日本の底力!」と「韓国経済危機特集」のYOUTUBE版ができましたのでこちらのチャンネル登録もお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCeV6EnK_OKgRY5qBiQHjXRA/playlistsad