韓国輸出 六月にはいったので最新の統計情報が色々と出てくるのでいつも通り、紹介していこう。そして、韓国経済において最も重要なのは「貿易」の動向である。
しかし、韓国語を日本語訳にしている主要韓国紙を当たったが、全部、聯合ニュースの短い記事のみ。これでは対した情報は得られないてことで、韓国語の記事をグーグル先生で翻訳してもらった。多少、意味が掴みにくい場所はあるが重要なのは、今、韓国の貿易で起きている「異常事態」を知ることだ。では、記事を整理していく。
記事の要点
1.輸出は昨年同月より21.3%増の615億2千万ドルと集計された。輸入はさらに大幅に走り、32.0%増加した632億2千万ドルとなった。これにより貿易収支は17億1千万ドルの赤字だった。
2.今年に入って貿易収支は1月の赤字を見せ、2~3月の黒字に戻り、4月から再び赤字に転じた。当初3月に輸出入暫定数値発表当時、貿易収支は1億4千万ドルの赤字で発表されたが、最近確定値は2億1千万ドルの黒字に変わった。
3.5月までの累積貿易赤字規模は78億ドルに達した。輸出実績は5月基準の歴代最高記録であり、月間基準では歴代最高の今年3月(638億ドル)に続き2位実績だ。
4.1日平均輸出は昨年同月(24億2千万ドル)に比べて10.7%増の26億7千万ドルと記録された。5月までの累積輸出は2926億ドルで、歴代最高水準だ。従来最高記録は昨年1~5月の2484億ドルだった。
5.このような輸出増加傾向を上回った輸入急増は、エネルギー・原材料価格の上昇から始まった。原油・ガスなどエネルギー輸入額は昨年同月(80億ドル)より67億5千万ドル増えた147億5千万ドルで、輸入増加傾向を主導した。
6.輸入は昨年6月以降12ヶ月連続増加率で輸出を上回った。品目別輸出を見ると、半導体・石油化学など15個の主要品目とも増加傾向を記録し、9個は2桁の増加率を示した。
7.韓国貿易協会国際貿易通商研究院分析によると、2000年以降、今回を含めて全5回現れた貿易赤字時期のうち、堅調な輸出好調税の中で貿易赤字を記録したのは今年が唯一だ。2003年、2008~2009年、2012年、2020年中に現れた貿易赤字はすべて輸出減少から始まったことに比べて対照的だ。
以上の7つだ。順番に見ていこう。
まず、1と2は繋がっている。韓国の5月の輸出は前年同月比で21.3%増の615億2千万ドルとなった。輸入はさらに大幅に走り、32.0%増加した632億2千万ドル。だから貿易赤字は17億1千万ドルの赤字になったと。
これは今年の1月ぐらいから続いている傾向だ。コロナ禍から回復におけるエネルギー・資源価格の高騰で中間財を多く輸入して、それを製品に組み立てて出荷する韓国では輸出が増えれば、当然、輸入も大きく増える。ここにウクライナ戦争の影響や中国の主要都市封鎖などの悪材料も重なる。もちろん、ウォン安もだ。
既に5月の話なので、季節性がどうとかではない。だから、昨年より輸出が21.3%も増えたからと手放しで喜べる状況ではない。なぜなら、輸入が増えて貿易赤字が2ヶ月連続で続いているからだ。それが17億1000万ドルと。
そして、ここでもう一つ重要なのは輸出金額は上がっても、輸出量に大きな変化はないてこと。600億ドル超えて絶好調とかはただの「錯視」である。貿易赤字が続いている時点で韓国の貿易がピンチなのは言うまでもない。韓国は貿易で食べている国なので。前回取り上げたが、今年の貿易赤字予想が158億ドルというのもでてきた。
それで、5月までの貿易赤字の総額は78億ドルに達したというのが3だ。年間158億ドル赤字になるなら、残り80億ドルしかないわけだ。仮にこれから毎月20億ドルずつの赤字なら4ヶ月で到達する計算となる。あと、7ヶ月あるのでこの予想が的外れとは言えない理由がここにある。鍵を握るのが原油価格、ウォン安である。
原油価格が100ドル以上が今後も続くなら厳しい。しかも、そこにビッグニュースが飛び込んできた。30日、EU=ヨーロッパ連合がロシア産の石油の輸入禁止で合意したのだ。当然、ニューヨークの原油市場は急上昇して、一時、1バレル=119ドル台まであがった。この時点で貿易赤字から抜け出すのが厳しい。世界的な物価上昇も続く。そこにウォン安だ。
5月末は1238ウォンまで怒濤の介入であげて、月末のレートはなんとか1240ウォン辺りで抑えたが、1200ウォンを超えている以上は輸入物価を押し上げる。しかも、今後、ウォン動向は1250付近で定着する予測さえある。アメリカの利上げ加速次第では、1300ウォンもあり得ない話ではない。
この時点で、韓国の貿易赤字が大幅に減るというのは考えにくい。3月の貿易赤字1億4000万ドルは確定値で2億1万ドルの黒字になったようだが、赤字が続くのはまずいので調整したんだろうな。
次に4だが、1日平均輸出は昨年同月(24億2千万ドル)に比べて10.7%増の26億7千万ドルと記録された。5月までの累積輸出は2926億ドルで、歴代最高水準。これはさっき述べた通り、輸出金額が原油やら原材料価格の高騰で増加しただけに過ぎない。歴代最高水準だからと韓国政府が輸出好調と自慢するなら、ムン政権と何も変わらない。
そして、5からは輸入の話だ。原油・ガスなどエネルギー輸入額は昨年同月(80億ドル)より67億5千万ドル増えた147億5千万ドルで、輸入増加傾向を主導した。理由は上にあげた通りだ。ポイントは5月の輸入が80億ドルから147億5千万ドルということで、84.4%も増加しているてことだ。
そして6だが、輸入は昨年6月以降12ヶ月連続増加率で輸出を上回ったと。次に輸出の話に戻るが、品目別輸出を見ると、半導体・石油化学など15個の主要品目とも増加傾向を記録し、9個は2桁の増加率を示したと。これは世界的に半導体不足もあって、半導体は好調だと。
今の韓国で半導体のICT輸出がなければもっと最悪だった。5月の半導体も115億5000万ドルの輸出を記録した。13ヶ月連続で100億ドルを突破するほどだ。半導体が唯一、韓国で大きな付加価値を付けても売れる製品である。
その次が石油化学と石油製品だ。それぞれ、51億8000万ドルと61億4000万ドルを記録。次に鉄鋼が36億6000万ドル。ただ、これ半導体のように付加価値の増加よりは原油価格高騰の影響が大きい。後は自動車生産だが、韓国語の表はグーグル先生で翻訳されないんでよくわからない。
最後は7だが、輸出が活気を帯びている間に現れた貿易赤字の流れは非常に異例の現象と考えられるという。確かにその通りだと。輸出は過去最高に近い金額なのに、貿易赤字なんだから。次が重要だ。2000年以降、今回を含めて全5回現れた貿易赤字時期のうち、堅調な輸出好調税の中で貿易赤字を記録したのは今年が唯一であると。
何度も述べてきたが、韓国の輸出金額だけを見ていれば、今、そこにある韓国経済危機を見逃す。輸出が好調なのに貿易赤字が続くのは異常事態なのだ。それを引き起こしてるのが原油価格とウォン安であると先ほど指摘した。では、最新の分析はどうなのか。
今年、貿易赤字は景気変動要因と構造的要因が複合的に作用した結果だと貿易協会は分析している。昨年から拡散した景気回復に対する期待感で原油・銅・亜鉛など国際原材料価格が急上昇した。ここにロシア・ウクライナ戦争後の原油価格の急上昇で原油輸入額が急増し、環境にやさしい・低炭素需要拡大で天然ガスの輸入も大きく増えた。
これはその通りですね。
サプライチェーンボトルネックで使い尽くされた在庫を埋めるために、国内製造企業が輸入を増やしたのも総輸入拡大に影響を及ぼしている。
サプライチェーンの影響もあると。で、最後はこうだ。
李昌陽産業部長官は「主な貿易相手国の成長率鈍化に加え、高金利・高物価で輸出条件が未収の状況で輸出が2桁の増加率を継続した点は肯定的」としながらも「最近のバレル当たり100ドル以上の固有価をはじめとする高水準のエネルギー・原材料価格が続いて貿易赤字が2カ月連続で発生するなど、赤字持続に対する懸念が拡大し、厳しい状況だ」と話した。
そして、この状況は肯定的だそうだ。だから、輸出量に大きな変化はないだろう?金額だけ見て肯定的とか。ただ、手放しでは喜んでないのが最後の文だ。今の情勢だと貿易赤字は夏でも発生する可能性が高い。原油価格が高騰しすぎなんだよな。
輸出好調税の中で輸入がより大きな幅に増え、貿易赤字の流れが続いている。
産業通商資源部が1日発表した「5月の輸出入動向」を見ると、輸出は昨年同月より21.3%増の615億2千万ドルと集計された。収入はさらに大幅に走り、32.0%増加した632億2千万ドルとなった。これにより貿易収支は17億1千万ドルの赤字だった。
今年に入って貿易収支は1月の赤字を見せ、2~3月の黒字に戻り、4月から再び赤字に転じた。当初3月に輸出入暫定数値発表当時、貿易収支は1億4千万ドルの赤字で発表されたが、最近確定値は2億1千万ドルの黒字に変わった。
このため、5月までの累積貿易赤字規模は78億ドルに達した。輸出実績は5月基準の歴代最高記録であり、月間基準では歴代最高の今年3月(638億ドル)に続き2位実績だ。
1日平均輸出は昨年同月(24億2千万ドル)に比べて10.7%増の26億7千万ドルと記録された。5月までの累積輸出は2926億ドルで、歴代最高水準だ。従来最高記録は昨年1~5月の2484億ドルだった。
このような輸出増加傾向を上回った輸入急増は、エネルギー・原材料価格の上昇から始まった。原油・ガスなどエネルギー輸入額は昨年同月(80億ドル)より67億5千万ドル増えた147億5千万ドルで、輸入増加傾向を主導した。
輸入は昨年6月以降12ヶ月連続増加率で輸出を上回った。品目別輸出を見ると、半導体・石油化学など15個の主要品目とも増加傾向を記録し、9個は2桁の増加率を示した。
地域別では、9大主要地域のうちロシア・ウクライナなどを含むシアイエス(CIS)を差し引いた8地域の輸出がすべて増加した。ロシア・ウクライナに対する輸出はそれぞれ59.4%、80.7%減った。
輸出が活気を帯びている間に現れた貿易赤字の流れは非常に異例の現象と考えられる。
韓国貿易協会国際貿易通商研究院分析によると、2000年以降、今回を含めて全5回現れた貿易赤字時期のうち、堅調な輸出好調税の中で貿易赤字を記録したのは今年が唯一だ。2003年、2008~2009年、2012年、2020年中に現れた貿易赤字はすべて輸出減少から始まったことに比べて対照的だ。
今年、貿易赤字は景気変動要因と構造的要因が複合的に作用した結果だと貿易協会は分析している。昨年から拡散した景気回復に対する期待感で原油・銅・亜鉛など国際原材料価格が急上昇した。ここにロシア・ウクライナ戦争後の原油価格の急上昇で原油輸入額が急増し、環境にやさしい・低炭素需要拡大で天然ガスの輸入も大きく増えた。
サプライチェーンボトルネックで使い尽くされた在庫を埋めるために、国内製造企業が収入を増やしたのも総収入拡大に影響を及ぼしている。
李昌陽産業部長官は「主な貿易相手国の成長率鈍化に加え、高金利・古物価で輸出条件が未収の状況で輸出が2桁の増加率を継続した点は肯定的」としながらも「最近のバレル当たり100ドル以上の固有価をはじめとする高水準のエネルギー・原材料価格が続いて貿易赤字が2カ月連続で発生するなど、赤字持続に対する懸念が拡大し、厳しい状況だ」と話した。
http://www.upinews.kr/newsView/upi202206010009
あと、日韓貿易の決済の多くは円で行われているため、韓国から日本へ輸出している業者は円安により受け取るウォンが減っているため、悲鳴を上げているみたい。